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【インドをよく知る】


3) 経済


4.インドの農業                                         (2007年6月4日作成)



 前回まではインドのマクロ経済構造について示しましたが、今回から個別の産業に焦点をあてていくことにします。


 インドの産業構造の特徴として、他の途上国に比べても農業のウエイトが高いことがあります。国内総生産に占める農業の割合は2割であり、これは中国、インドネシア、フィリピンの15%、タイ、マレーシアの10%に比べても大きな割合となっています。

 インドの農業従事者は約1億1,500万世帯で、約7億人もいます。農家の経営規模は、所有農地面積が2ha以下の零細・小規模農家が全体の約8割を占めていますが、農地面積では全体の3割しか保有していません。

 農地面積は1億8,061万haで国土面積の55%を占めています。穀物収穫面積では、全体の約4割がコメです。

 2006年までの過去5年間の農業部門の平均成長率は2.3%でした。その5年間でGDPに占める割合は、サービス部門は55.1%、鉱工業部門は26.5%と拡大した一方で、農業部門は5年前の22%から18.5%と低下しています。しかし農業の就業人口は現在も増加傾向にあるなど、農業は依然として国民経済の中で重要な分野となっています。


 農業生産はインド国民の6割を占める農民の消費に直結しており、他産業の生産活動にも影響を与える重要な指標で、農業は経済全体に大きな影響を及ぼす構造となっています。インドが8%程度の成長をするためには、農業部門が3%以上の成長を続ける必要があると言われています。2006年から始まる政府の第11次5ヵ年計画では、GDP成長率9%を目標としており、そのうち農業部門の成長率4%を前提として置いています。 


 インドの農業の特徴をまとめると、@小規模の零細・小作農家が多い A農民の低い識字率や農業知識の欠如など、低い農業技術 B電気・灌漑設備等のインフラ不足 C農業経営資金力不足 D慢性的水不足=モンスーン依存型 E輸送・保管設備などインフラの不足 F低い農産物加工技術などです。さらに地主による小作人の搾取構造の問題も根強くあります。

 インドの耕作面積は、国土が3倍大きい中国の1.13倍もあり、耕作面積はまだ増え続けています。しかし穀物収量は中国の数分の一であるなど、農業の技術は遅れています。ただ世界最低水準に近い農業ゆえに、今後成長の余地が極めて大きいともいえます。


 主要農作物は、コメ、小麦、サトウキビ、紅茶、コーヒー、ジュート等で、紅茶とジュートについては世界第1位の生産国であり、コメは中国に、サトウキビはブラジルに次いでそれぞれ世界第2位の生産国となっています (2003年)。日本はインドから、えび、大豆油粕(調製飼料用)、カシューナッツなどを輸入しています。


 80年代においては、農業分野における所得は他の分野の2.5倍くらいありました。しかし今では農業以外の分野に従事する人たちの所得が、農業従事人口の所得の5倍となっているなど、所得格差も問題になっています。農家の40%の人が、利益が上がらないから農業を辞めたいという調査結果もあります。

 綿花生産地帯の農家では、高額な種子や農薬の購入で借金がかさみ、さらにここ五年間の天候不良による水不足で収穫高が減少しています。そのため借金苦による農民の自殺が絶えず、深刻な社会問題になっています。98〜03年の6年間で農民の自殺者は10万人を超え、自殺者全体の16%を占めています。


 インド政府は、インド経済全体や選挙に大きな影響を与える農業の振興に重点を置いてきており、生産拡大のため肥料補助金、食料補助金及び灌漑補助金などさまざまな支援策を行っています。選挙対策上与党国民会議派は、今後も農業に政策の重点がおいていくことになると思われます。最近も今年2月のパンジャブ州議会選での敗北を受け、国民会議派は外資開放策の実施の一部先送りに加えて、4月からの新年度予算で大票田の農民・貧困層に手厚い配慮をするなど、経済政策の「選挙シフト」を鮮明にし始めています。ちなみに、憲法上農業、農業関連事項に関する管轄権は州政府にあります。

 政府は長期的には農業の生産性の向上と、それに伴い余剰になった農業労働者を製造業などにシフトさせていくことを、貧困の解消にも寄与する重要な政策目標として位置づけています。




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