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● 組み込みソフトウェア分野での日印の連携


■ 組込みシステムとは?
 組込みシステムとは、パソコン、サーバーやメーンフレーム以外でコンピュータ制御されているものを言います。

 組み込みシステムは、電気の流れているところではほとんど存在していると言っていいでしょう。特に下記のような機器で使われています。

  ・電話、携帯電話、FAXなど             通信機器
  ・自動車、電車、航空機、船舶など          運輸機器
  ・NC加工機、工業用ロボット、搬送装置など    FA機器
  ・洗濯機、電子レンジ、エアコンなど         家電機器
  ・テレビ、ビデオ、オーディオなど           AV機器
  ・ゲーム機、パチンコ、カラオケなど         娯楽機器
  ・プリンタ、スキャナ、コピー機など           PDA、OA機器
  ・心電計、CT、MRI、レントゲンなど          医療機器
  ・オシロスコープ、電力メーター、ガスメーターなど 計測器

 組込みシステムとはCPUを搭載したハードウェアが、ソフトウェアにより制御されるような、ハードとソフトを合わせたシステムです。

 したがって組込みシステム開発には、ソフトウェアだけでなく、動作させるハードウェアや製品の知識が必要となります。


■ ハードウェア(MPU)を制御する
1.MPU、CPUとは

 組込みシステム開発には、CやJavaなどのソフトウェア・プログラミングの知識に加えて、制御対象であるハードウェア、すなわちMPUについての知識が必要となります。

 MPUとはMicro Processing Unitの略で、多数のトランジスタやICを組み合わせたCPUを、1つのICで実現したものです。MPUは、プロセッサ本体のCPUが周りの機能を取り込み続けて、高機能なMPUになったともいえます。
 ただ現在では、MPUをCPUと区別せずに使っている場合が多いようです。
 

2.CPUの働き

 CPUは、メモリに記憶されたプログラム(命令)を実行する装置です。ここでいうメモリには、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)がMPUを構成する要素としてあります。

 プログラム実行の手順として、まず、

1) ROMから1つの命令を取り出します。

 プロセッサの中にあるProgram Counterという特殊なレジスタで示された値(命令アドレス)がプログラムの先頭で、CPUはROMの中のそこから命令を持ってきます。この命令アドレスの値を変化させることでプログラムが先に進んだり、前に戻ったりさせます。

 ROMは、専用の装置や書き込み専用の手順を踏まない限り書き込みができないメモリです。しかし最近では、製品に組み込まれてからも書き換えができるフラッシュROMを使うことが多くなっています。
 フラッシュROMは、携帯電話やミュージック・プレーヤなどでも使われています。

2) 命令の実行

 取り出した命令を解析し、演算回路(ALU)で命令を実行する。

3) 実行結果をレジスタやRAMに書き込む

 RAMの中の、プロセッサ内の特殊なメモリである汎用レジスタで示される場所に、実行結果を書き込みます。

 組み込みシステムでよく使われているのはSRAM(Static Random Access Memory)といわれるもので、これは記憶したデータを読み出してもデータが消えないという特色を持っているので、高速にアクセスできるメリットがあります。しかし、構造が複雑なので大容量化しにくく、価格も高い点がデメリットです。

 SRAMに対して、DRAM(Dynamic Random Access Memory)は、一定の時間が経過すると記憶したデータが消えてしまうメモリのことです。DRAMは時々、データを書き直す(リフレッシュと呼んでいます)処理が必要ですが、構造が比較的簡単で大容量化も可能です。パソコンに使われているメインメモリはこのDRAMです。


3.発信器の働き

 前節の1)〜3)に示すCPUの働きにおいて、その動作するタイミングを決めるのが発信器です。発信器はクロックを発生させる回路で、クロック発振器、またはクロック発生回路とも表されます。

 クロックとはMPUを動作させるための同期信号のことです。同期信号とは前述の1)〜3)の各処理を進めるタイミング信号でもあり、周辺のコントローラとの同期を取るための信号でもあります。

 クロック信号は図1に示すようなもので、クロック信号が高電圧になったとき、または低電圧から高電圧へ変化し始めたときをきっかけに、動作の同期を取ります。

図1.発信器のクロック信号

 1クロックが1秒間に何回あるかがクロック周波数と呼ばれています。MPUの動作はこのクロックに同期しているわけですから、クロック周波数が多くなれば動作が速くなることになります。

 MPU(CPU)とメモリは、クロックに同期して動いているということを押さえておきましょう。


4.デジタル/アナログ信号処理

 組み込みソフトウェアの場合、外部の信号はアナログで入り、それをMPUの中でデジタル処理し、またアナログで出力するといった処理が必要となります。

1) アナログ−デジタル変換器(A/Dコンバータ)

 アナログ信号をデジタル信号に変換するのが、アナログ−デジタル変換器(A/Dコンバータ)です。
 A/Dコンバータはアナログ信号の信号の強さ(通常は電圧)を調べて、値に変換してくれます。このときサンプリング間隔は、ソフトウェアやハードウェア・タイマで作ってやる必要があります。

2) デジタル−アナログ変換器(D/Aコンバータ)

 MPU(CPU)の中でさまざまな処理をして求まったデータをアナログ信号に変換するものが、デジタル−アナログ変換器(D/Aコンバータ、DAC(ダックと読みます)とも略される)です。A/Dコンバータの逆の動きをするものだと思ってください。


 A/Dコンバータ、D/Aコンバータを使う機会は組み込みシステムで頻繁に出てきます。特に音声や通信を扱うときには必須といってもよいと思いますほどです。


5.パルス信号について

 パルス信号とは、ON/OFFを繰り返す信号です。

 実際の組み込みシステムの中でパルス信号の使われ方には、パルス信号を出力して何かを制御するものと、パルス信号を入力して何かを測定するものとがあります。

 パルス出力で制御する代表的なものがステッピングモータやサーボモータなどのモータ類です。そしてモータ類のパルス制御によく使われる方式がパルス幅変調方式(PWM:Pulse Width Modulation)やパルス振幅変調方式(PAM:Pulse Amplitude Modulation)です。

 パルス幅変調(PWM)方式とは、名前のようにパルスの幅(パルスをONしておく時間)を長くしたり、短くしたりして流す電流や電圧を制御するものです。
 パルス振幅変調(PAM)方式はPWM方式と逆で、パルス信号の強度(振幅)で流す電流や電圧を制御するものです。

 PWM方式やPAM方式とはまったく違った考え方で制御するのがステッピングモータの制御です。ステッピングモータは、その名のようにステップという考えを持っています。このステップというのは1つのパルス信号を受けるとモータがどれだけ動くかを示すものです。何パルスを与えると何回転するとか何度動くという使い方で、メカの位置決めをするときには適した制御方式だといえます。

 ステッピングモータの制御とは逆に、位置や速度を調べるために使われるのがエンコーダ(ロータリーエンコーダ)というもので、一般にはモータ軸やシャフトにスリットの入った円盤を付けて光を当て、その光の点滅をパルス信号にします。パルス信号をカウントしたりパルス信号の間隔で、どのくらい動いたかやどのくらいのスピードで動いているかを知ることができます。


■ 組込みソフトウェア
 組み込みソフトウェアは、ハードウェアであるマイコン(MPU)上に、ソフトウェアであるリアルタイムOS、ミドルウェア、そしてアプリケーションが乗っている構造です。

 中には、リアルタイムOSやミドルウェアを使わず、アプリケーションだけで動作する組み込みシステムも世の中には多数存在しています。

 Windows上やLinux上で動作するソフトウェアと違って、自分でハードウェア(MPUも含む)をどう動かすかを考えなければならないのが、組み込みシステムのソフトウェアエンジニアです。

 一般にソフトウェアの開発に求められるものは、生産性、信頼性、可用性、再利用性、拡張性、移植性、保守性だといわれます。組み込みソフトウェアでは、そのうち特に安全性、信頼性、保守性が非常に重要な項目となります。
 その他にも、制限された環境の中でコンパクトに作られ、正確に動作して頑丈であることが要求されます。


■ 日本の組込み業界の現状
 情報処理推進機構(IPA)が行った、「2006年版組込みソフトウェア産業実態調査」の結果によると、2005年の技術者数は約17万5000人で、事業責任者は約7万人不足していると感じており、不足率は約41%もありました。

 しかし、2006年は実人数が約19万3000人に増えたにもかかわらず、不足人数は約9万4000人に増えており、不足率は約49%に上昇しています。この要因として、携帯電話などの普及により、一層組み込み系ソフトウェア開発の案件が増えていることが考えられます。

 またこの調査結果では、組み込みシステム開発に携わっている期間は1年未満という回答が増加しており、技術者の年齢は40代、50代の技術者が多いことから、会社として、組み込み系開発を新たに始めたところが増え、従来ほかの開発を行っていた40代〜50代の技術者が組み込み系に移行したと見られます。

 工程に関する調査では、「システム要件定義」や「システムアーキテクチャ設計」などはほとんどが内部工数だったが、「ソフトウェア詳細設計」や「ソフトウェア実装・単体テスト」や「ソフトウェア結合・統合テスト」といった人手がかかるところは、半分近くが国内外へのアウトソースという回答でした。

 また、半数近くの企業が海外へ外注しており、外注先国は中国が最も多くて40%、次いでインドが20%、そのほか欧州や北米が続いていて、すでに半数近くの企業が海外オフショア開発を手掛けていることが判明した。
 これに関して05年の調査からは、海外に委託すると不具合が多くなるという回答も多く寄せられ、これは国内から海外に仕様を伝える際のコミュニケーションがうまくいかないケースが多いと見られます。

 組み込みソフトウェアエンジニアのスキルレベルは、現在半数近くが指導者が必要なエントリレベルで、約3分の1が1人で作業ができる「ミドルレベル」、10%程度が新人に指導できる「ハイレベル2」、作業を創意工夫して新たな開発手法などを構築できる「ハイレベル1」は10%未満だった。
 しかし、経営者の理想では、ハイレベル技術者がもっと必要だと考えており、ハイレベル技術者の不足率が顕著に表れた。

 職種別では、ソフトウェアエンジニアの不足率が一番低く、そのほかは全般的に不足率が高いが、その中でもブリッジSEの不足率はほかを大きく引き離し、ほかの倍近い不足率となった。ブリッジSEの需要の急増は、アウトソースするケースが増えたことにより、開発拠点が複数にまたがるケースが増え、多拠点の橋渡し的存在を担う人材が不足していると考えられます。


■ 組み込みソフト、国内は人手不足・インドや中国で開発強化   2007・5・8 日本経済新聞
ソフト開発を手掛ける各社がインドや中国で、携帯電話や家電の動作を制御する組み込みソフトの開発を強化する。技術者不足が深刻な日本だけでは需要に対応できないため、新興国の豊富な人材を活用する。開発業務の移管でコストを削減するとともに、成長余地が大きい現地市場の開拓も視野に入れている。

 半導体製造請負のユナイテッド・テクノロジー・ホールディングス(旧日本エイム)はインドの関連会社、ウインズ・インフォテック(バンガロール)への開発委託を大幅に増やす。インドの技術者を3年間で約8倍の500人前後に増員。現状で約1割にとどまるインドでの開発比率を5割程度に高める。


■ 日本各社の動き
コニカミノルタグループ、インド・チェンナイ市に現地企業と提携しソフト開発拠点を設立   2007/7/11

 ネットワーク化やアプリケーションの多様化により、コニカミノルタの中核事業である情報機器事業の複合機(MFP:Multi Function Peripherals)やプリンタの開発において、組み込まれるソフトウェアの規模は年々拡大傾向にあり、今後も年率約50%で増え続けると予測されますそのため、コニカミノルタでは、中期経営計画で「グローバルソフト開発体制の構築」をテーマアップし、昨年来ソフト開発リソースの安定確保の手段として、ソフトウェアのオフショア開発の検討を重ねて来た結果、インドの大手ITサービスプロバイダーであるHCLテクノロジーズ社とパートナーシップ契約を締結することとなりました

 コニカミノルタでは、優れた技術力・管理能力を有する企業として、数年前からHCL社に医療機器のソフト開発を委託し、信頼関係を築いてきています。このような関係もあり、今回チェンナイ市にある同社敷地内にオフショア開発センターを開設するということでパートナーシップ契約を締結しました。人員規模は約50名からスタートし、2008年度末には、約240名まで増員する予定です。

 オフショア開発センターでは、当面、複合機やプリンタのアプリケーションソフト、カスタマイズ化するための開発ツール、医療用機器の主力製品であるデジタルX線画像読取装置(CR:Computed Radiography)用組込みソフトなどを開発する予定です。
 一方、コニカミノルタグループの国内開発リソースは、外部に依存できないコア技術である画像処理や機器基本機能などの開発に注力し、コア技術の一層の強化やコア技術を活かした開発を加速していくことにしています。

 ソフトウェア開発の拡大にともない、ソフトウェア関連の品質評価業務の工数も増大します。コニカミノルタでは、このような評価業務についてもリソースの安定確保の手段として、本年5月に、独資のソフトウェア品質評価会社を中国・大連市に設立し、7月末には稼動させる予定です。

 このように、日本はコア技術、インドではアプリケーション関連、中国では評価という日本・インド・中国の三極体制の構築により、ソフトウェア開発の質的向上、加速化、効率化を図り、事業基盤の一層の強化を推進していくことにしています。



ベトナムにおける組み込みソフトウェア開発拠点の設立について  2007年5月08日

 東芝は、デジタル家電向けなどに用いる組み込みソフトウェアの開発強化のため、ベトナム・ハノイ市にソフトウェア開発の新拠点を設立しました。

 新会社「東芝ソフトウェア開発ベトナム社」の従業員は現地採用を基本とし、当初は約20名体制、その後2010年度までに300名程度まで拡大する計画です。
 新拠点は、海外における組み込みソフトウェア開発の中核拠点と位置付け、成長分野のデジタル家電や携帯電話向けを中心に、日本での上流設計に基づく下流工程の設計やプログラミングを担当します。
 技術者は基本的にすべて現地で採用・育成し、当社の開発プロセスを徹底するとともに、外部発注しない自前拠点とすることでノウハウの流出を防止します。

 ベトナムでは近年IT産業が急成長しており、ソフトウェア分野でも優秀な人材の確保やコスト競争力の向上が見込めることから、日本メーカーを中心に外国企業の進出が活発化しています。
 東芝では、インド、中国にソフトウェア開発拠点を展開していますが、中期的に開発体制の拡充を図るため、拠点集中リスクの回避も踏まえ、ベトナムでの新拠点設置を決めたものです。

 東芝は、ベトナム首相直轄の教育機関であるベトナム国家大学や、ベトナム随一の技術系大学であるハノイ工科大学に奨学金を拠出しており、今後大学との連携をさらに強化し、現地での優秀な人材の確保につなげていく方針です。

背景と狙い

 近年、電子機器の高性能化・デジタル化に伴い、主要機能をソフトウェアで開発する割合が高まっています。開発規模は高機能化で増大する一方、価格競争の激化でコスト削減が急務です。
 これを受け、東芝では中期的に、開発人員の拡充と、低コスト化につながる海外拠点の活用を推進しており、今回こうした強化策の一環として、ベトナムに新拠点を開設するものです。


ベトナムでの新拠点設立について

 当社では、今回海外でのソフトウェア開発を強化する方針のもと、最適な戦略を検討した結果、次のような理由から、ベトナムに新たな拠点を開設することを決定しました。

(1)

IT分野を成長産業としており、進出に優遇策があり、優秀な人材の確保も期待できる

(2)

日本との物価の違いなどから、人件費を中心に開発コストを低減できる 

(3)

日本語を学ぶ人口が増えており、社内の語学教育により日本語での意思疎通も可能となる

(4) ソフトウェア先進国とされる特定国に、リソースが集中するリスクを回避する効果もある 

新拠点の概要

社 名

東芝ソフトウェア開発ベトナム社
英文名称:Toshiba Software Development (Vietnam) Co., Ltd.

資本金

50万米ドル(約6000万円)

所在地

ハノイ市内

従業員 当初約20名、2010年までに約300名まで増強予定
事業内容 組み込みソフトウェアの開発(当初は下流工程を担当し、順次範囲を拡大)




■ オフショア開発をうまくいかせるために
コミュニケーション力をつける。コミュニケーションができやすい環境を作る。

社外に仕事を依頼するのに十分なドキュメント作成能力を身につける。またその能力を確認、指導する。

■オフショアに依頼する
仕事の切り分けをうまくやる。

テストは誰がやるのか。テストもオフショア先に任せる場合は,ハードウエアを輸出する必要がある。最新のターゲット・ハードウエアを輸出するのに,仮に1カ月を要するとすれば,その期間を待ってまでオフショア先でテストするのか,などを十分に検討しておく。

今,家電にしても,車載機器にしても,プラットフォームが頻繁に変わっています。オフショア開発をする部分は,成熟したプラットフォームの機器とすることが望ましいでしょう。

■ソフトウエア部品を長く活用するために,開発委託先にオーナーシップの意識を持たせ,部品の改良を続けてもらうようにする。




■ インドとのコラボレーション
インドは、プロジェクトマネジメントや、複雑で錯綜したシステム構築ができる能力を持っています。

■この点で、安価で雇えるエンジニアがいくら豊富でも、中国は競争相手にはなりません。

■最近では、電子メールやメッセンジャーなど、聞く/話す能力よりも、読む/書く能力の方が大事になってきています。
 これは日本人にとっても不得手なことではありません。恐れずに英語でのコミュニケーションにトライしていきましょう。

■また円滑なコミュニケーションのためには、オフラインの会話も大事だということを頭に入れておきましょう。


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